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NO.17 カミーノ巡礼最後の日



8月12日

 ホテルでの朝だ 今日は岬まで行く これで最後! 何故なら次の町は無いから さぁ出発! そして さぁ終わらせよう!

 町を抜けて 海を左手に上り坂 さらにしばらく進んだら右手も開けてきて    岩肌の岬にホントスグに着いた


 それはまぶしい景色と一緒に頭に入ってきた 世界がきれいで きれいすぎて おかしくなりそうな! 

 これまで感じた事のない莫大な量の美しいという感情 だからこその この嘗て無い幸福感! 

 これだと思えた!

 絶対的なこの世の基準 この世がただ美しく流れ続けている この事こそ 無くなってはならない最高の存在。


 漠然と世界っていうものが存在するだけでいいのだと思えた 


 他は何にも要らない この自分という存在さえもだ!


 それをあえてビジュアル的に説明するならば それはまるで風船だ これまで俺はその風船の中で広がっている世界とその中の居る自分自身を大事にしていた だけど今 俺自身はこの風船の中にはいない 風船の外から俺はこの風船を 世界を愛おしいと思える 



 この世で最も優先されるべきものを見た。



 そして自ずと強くなるという この旅の当初目的にも答えが出た より強くなりたいと思いこの旅を始めた  「強い」とは 今考えるはこうだ

 「強い」とは 人より何かを多く得られたり、人よりいい暮らしができているとか 嫌な事をしないで済んでいるとか 今の人は考えるだろう 確かにこれも一つの強さで間違いない 実際それも俺は望んでいる

 けど その何かを得られなくなったり 良い状態と思いこんでる事が 維持できなくなったり 嫌な事が実際起こった そんな時 

 「それでも大丈夫!」と言える事こそ 前者の強いという意味より もっと強いという意味をもつと思う  


人よりも何かを持っているというのではなく 
 そんな物は無くても大丈夫と言える精神 俺の目指す強さとはこれだ。


そのまま海を見て数刻を過ごし 夕方になり浜辺で夕日を見ることにした

 丁度これからのいい時だ 夕日が沈んでゆく

 感謝しないと ただこの世を感じ取れるだけで それだけで満たされることを

 自分が生命である それだけでの絶大なる喜びを 

 俺いい事知ったよ!




 コンパスと貝の印を頼りに 太陽が沈む西へ西へと歩いたら道は無くなり海になった そしてその海に太陽が沈んだから俺の旅は終り!   終わるにはクールすぎる理由だぜ!

 この旅は 自分を成長させるという大雑把なものではなく

 自分自身を成長させるための 方向を示すものだな!

 俺はこの旅で新しい基準を得た これがある限り 俺は無敵な気がする

 これから日本に帰っても この基準を失わずいる事が 俺のこれからの目標だ。


                         ありがとう 


 

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