NO.13 生まれた意味



8月4日

 少し遅め7時起床 ずいぶん楽になった 階段を下りてギリシャ人のマリアとホスピタレーナその他スタッフに感謝の気持ちを伝えた 
 ホスピタレーナが朝食を食べていったらと言ってくれたが やはり胃は本調子ではないのでまた「ヨーグルトはどうだい?」と俺にくれた ありがとう 出発!

 俺はこのボランティアグループにいつか恩返しがしたい さらには世界中のボランティア団体に これから先の稼ぎしだいだけど 少ないなら少ないなりに 多いなら いっぱいに寄付がしたい そしてまたいつか 歩いてきます



 【またいつか】 なんて 

 最初歩くのを止めたくてしょうがなかったこの道を 今は再び歩くことを考えたりする ホント序盤ではありえなかったよ



 気がつきゃ考えが変わってる。


腹は減らないが体調はいい 問題は胃だけだな!
 しかしガリシア地方は森が豊かだな、朝早いから雲が低く雲が森と一緒の位置にある

 そして俺はそこへ下りおりて行く、ウシも雲の中、畑の作物も雲の中

 俺は人より、いろいろな物を見れている、幸せ者だよ。

 この地方は木が多くていいね!  木陰に不自由しない 序盤はムギ畑で これが見方によっちゃ砂漠みたいだったもんな(笑) 

 今日も無理せず14km歩きカサノヴァにステイ ここも薄い木々に囲まれた木陰の中のアルベルゲだ、葉っぱを通した薄緑色の光が心地いい!   

 ここでも出会いがあった ブラジル人ファミリー親父だけが身長高い そしてフランス人男子高校生5人組そのなかでも ピーターって言ったかな 彼がすごかった 話によると彼はあのピレネー山脈で迷子になってしまい 日も暮れ 夏でも寒いあの山で一晩過ごしたそうだ 夜なら寒さはひとしおだったろう  でもそんな彼も長いこの道を歩き  今自慢の武勇伝のように俺の前で語っている 可愛いやつだ  そしてたくましいね!

 今日もとりあえず夕飯はビスケットだ!  就寝!



8月5日

 今日も一日 歩くのみ そんな思いで歩き始めるけど もうカウントダウンだ 明後日にはサンティアゴにつく おれはフェニステレまで歩くつもりだけど このサンティアゴ巡礼はその名の通り、サンティアゴが目的地 終わりが近いとひしひしと感じる 
 序盤とは違い苦悩することはなく ただ淡々と森を抜けて、川を越え、村を通り過ぎ、今日の宿に着いた 今日一日がただ過ぎ去った感じ  なんか今日は淡々と歩き通し終わってしまった 何事もなく そして何も考えもしなかった

 今日の場所はリバディソ 大きいアルベルゲだバルもある、ここ数日ビスケットや軽いパンだけだったけど、今日はしっかり巡礼者用のメニューを食べる事にした。

 ポークソテーとポテトとパンとワイン 久々だしちゃんとしたご飯がとてもおいしい、全部食べた、少しづつ胃の調子も戻ってきてるようだ!



8月6日

 6時起床 歩くの開始! 今までいっぱい歩いたからなー どれ位痩せたかな?! まぁ どうでもいいか!


昨日からあまり考えてる事が無い、だからこそかな? こんなことを考え始めた

 何年前からだろうか、俺は ”生まれた意味” を自分なりに考えるようになった

 これに対しての自分なりの答えは 

 

 "この世を見て 知る事"

 

 考えのかたより無く平等に いっぱい知る事 これが生まれた者がする事だとも思っている

 今回の歩きながら様々思い 見て この事が確証に変わったよ

 人は生まれる場所を選べない ゆえに与えられる環境が違ってくる それが考えのかたよりを生む けどかたより自体は悪い物ではない ただ



見えなくなるモノが出てくるだけ


 

 だから 人は少しの期間でもいいから いつもと違う環境や状況に身を置く必要がある 海外に出ろとまでは言わない ただいつもどおりの流れに変化があればいい 例えば 考え方によっちゃ日常に突如として起きるトラブルやスランプなんかも  価値観を変えて多くを見れるようになるチャンスだ! 今まで無視してきたモノほどちゃんと見ればいいんだ。 ってまぁ理想的な事ばっかの考えだな まぁ今この場を持ってこの今見ている壮大な世界に誓おう これが俺の理想的な基準となりました これに則りこれから生きていくぞ 笑


 かたより無くすべてが見られるように!   


しかし毎日いろいろな事を考えて歩いてきたもんだ 初めは旅を始めた自分の決断に苦悩し 今は自分がどうあるべきなんて考えてる きっとカミーノがそうさせるのだろう。 

 歩く道さえもずいぶん変わり 赤土の開けた大地から 緑の木々に囲まれた景色に変わっている 今日はアルカにステイ 

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