NO.16 まだまだ行くよ フェニステレ



8月9日

 6時半出発! 朝のサンティアゴの町は静かだ 少し寂しい気分になる ここで旅を終える者も多いからな パトとかそうだし でもジェライみたいに 心変りしてそこらでひょいと会えるかもしれないし 俺は俺で歩くのみだ。

 今日はNegreiraが目的地だ というかサンティアゴ出ると次のアルベルゲまでやたら遠い 22kmの間に他のアルベルゲは一切なし! でも途中には小さい村はあるから 休み休み行くぜ! 途中の小さい村↓

 あ〜 今日も余裕で着いてしまった 足痛いのに当たり前のように歩ける体になっている 今の俺  何処までも歩けるよ。 
 さてNegreira到着 もうヨーロッパの夏休みシーズンに入ったので アルベルゲが込んでベッドが取れず 小さなエントランスで大きなマットレスを敷き 異文化川の字で寝ました!



8月10日

 朝から良い感じだ とうとう胃の具合も回復した気がする 今日の目的地はオルベイロア, 明日にはフェニステレに着いてしまうかもしれない  今日もビスケット食いながら出発!

 森の坂道で神父さんとそのお弟子さんに会った 優しいけど少しゲイっぽかった(笑)アルベルゲで会うだろう 昨日もそうだったがフェニステレまではアルベルゲが少ないだけに 途中であった巡礼者とは必ず目的のアルベルゲで会うね。


 良い景色だ ここらへんは北海道にも似てるな!

 途中小さな川で足を冷やす 浅いから余裕でくるぶし位で立てる 冷えて気持ちがいい

 オルベイロアの町到着 入ってすぐ個人でやってるカフェみたいなハンバーガー屋さんがあった 胃が回復したから 看板見ただけで食欲が出てきた ハンバーガーとフライドポテトとのセットにした 日本でもありきたりでスペイン料理じゃないけど うまいよ、うまいよ 久々にファストフードを食べた気がしました! 

 やはりオルベイロアのアルベルゲも 満員になっていて ベッドは確保できず 元はウシ小屋だった所にマットを引いて寝る事になった  洗濯を終わらせ スーパーへ買い出し 途中スペイン人5人組の大学生巡礼者が前からやってきた 俺が「オーラ!」と話しかけると全員「オーラ!」とかえしてくれた アルベルゲに戻ったら絶対会うだろうな!

 非常食用ビスケットその他乾物を買い アルベルゲに戻りもう夕方 例のスペイン人大学生たちと昼間に会った 神父さんとそのお弟子さんとの再会 

 神父さんはみんなや俺に 「これから小さなミサをやるから来ないか?」と言ってきたので 大学生たちや その他巡礼者たちと行く事にした 

 夕日があと少しで沈むだろうという 周りが赤い時刻  アルベルゲの隣の野っぱらで テーブルにワインと聖体 彼ら神父さんは俺達に「見てるだけでイイよ」と何かを強要する事はなく儀式が始まった 


 神への言葉を言い 聖体を食べ ワインを飲む 周りを見るとホントに見てるだけ者や、聖体をもらう者、ずっと目を閉じ祈る者 バラバラだった でも悪い事じゃない 形式なんてどうでもいい だから俺も眼を閉じ祈った。

 夕食はこの村の小さなバルでトルティーヤで済ませ そのあとベッドに戻る 神父さんと大学生組 カミーノは明日で終わるというのに 出会いは尽きない さすがカミーノ!



8月11日

  最後の6時起床 出発!

 今日の34キロでこの旅が終わる その寂しさはよぎったが 内心は進む事しか望んでいない 足も自然と前へ出る 今日も一日フルにこの道を感じ取るだけだ!

 しかしカミーノ最後の最後まで山が多いな 凄く高くはないけどね! 
 途中芝生の整備された公園で昨日のスペイン人大学生達と再会 彼らはサンティアゴからフェニステレまでの100キロ弱を歩いてるのだそうだ まだ体が慣れてないしんどそうな感じが見て取れる お互いフェニステレでの再会を伝え俺は先に出発した

 

 左手に川が見えてきた 歩く砂利道の石が緑色できれいだ何の石だろう? 石に気を取られ歩いていたら さっきの大学生達の一人ペドロも追い付いて歩いてきていた 
 いるのはペドロ一人で 他のみんなは疲労で限界が来たらしく バスでフェニステレに向かったようだ ペドロは日本語を専攻しているらしく 俺と話がしたかったみたいだ まぁ実際会話は英語だけど(笑) 日本のアニメや映画 知ってる日本語など  楽しく話しているが  そんなペドロも体力的にはきつそうに見える でもふんばってがんばってるな。

 1時間は歩いたかな ペドロは限界が来たらしく 次の町のバスでフェニステレまで行くと決めたようだ 当然ペドロの自由だ 俺が自由で歩いてるようにね!

 「それじゃフェニステレでなペドロ!」  

 ホント最後まで山道が多いな途中の町CEEまであと少しだという所でさらに霧まで出てきた、小一時間歩いてようやく下り道になった、そして霧の下り道の奥をよく見たら 

 この旅初めての海が見えた 1ヶ月以上海を見ないなんてよくあるのに その海見ただけでこんなに嬉しいなんて初めてだ!   

 そしてCEEの町に到着した 海沿いの良い町だ そしたらすぐにバスから降りたばかりのペドロと再会した 俺をバスで見たらしく降りたらしい 

 昼を過ぎたという事で一緒に飯を食う事になった 海沿いの小さなレストラン シーフードが食べられそうだ! ペドロに勧められ、俺は揚げた魚、ペドロは小魚をあげた物、魚の名前は皆目見当つかない まぁワインで乾杯だ!

 魚もうまいこれでよし!

 少しホロ酔いで店を出たけど ペドロの足は相変わらずのようで 再びバスに乗って行った。  

 俺は俺で出発! 左手には海、右手には山、そういえば大西洋を見るのは生まれて初めてだ

 きれいな海だ、このまま海沿いかと思ったが、カミーノはなかなかなもんで 再び小山を登るルートになっている 猫が多いな 魚がもらえるからかな? 
 上り坂で猫と民家を横目にし 間違ってるんじゃないかと思えるくらいの狭い草の道を通り 少し道幅の広い山道を抜けたら

 とうとうフェニステレが見えた かつて 西の最果て、世界の終り、など言われた場所だ たしかに昔の人ならそう思うよな  さぁ俺も終わりに向けていきますよ!! 

 山道を下り 平坦な道になり 俺はフェニステレが徐々に近づいてくるのを見ても 旅が走馬灯のように思い出すわけでもなく 海を左手に見ながら 

 普通にこの道を歩き倒してた 

 フェニステレは最後の町だけあって土地は小さいが少し栄えてもいる お店やレストラン多いし 

 アルベルゲ前でペドロ御一行と再会 話を聞くと アルベルゲはもう満員らしい たしかに今日で終わらすために無理して 時間考えずに歩いちゃったからな 確かにもういっぱいになる時間だ 最後でまさかアルベルゲに泊まれないとは!

 とりあえずペドロから「泊まれないけど 中でお決まりのアルベルゲのスタンプとフェニステレに着いた事の証明書がもらえるから行っておいで」と言われ中に入ると 白人の女性とスペイン人のおじさんが座っていた 

 さっそくオーラ!とあいさつ白人の女性は英語が喋れるらしく通訳的な役割も果たしているようだ 英語で「今日はもう満員なのよ でもスタンプとここの証明書ならあげられるわ!」サンティアゴの巡礼者事務所見たいに スペイン人のおじさんから 国籍、名前、職業、を聞かれた 今は無職だと答えたら 「んじゃ 君はカミナンテだねと言われた」たぶん意味合い的にはカミーノを歩く旅人ってとこだろう!  

 いいね! いいスペイン語を聞きました

 俺はカミナンテだ!

 おじさんに近くの安い宿を教えてもらい 20ユーロで泊まる事になった テレビ付きの部屋なんてカミーノには無かったからな

 フェニステレの岬は町から3キロぐらいある そこがカミーノの完全なる終わりだ でも今日はもうここで休む事にしよう 急ぎすぎたからな ゆっくりするよ。

 今日無理にここまで来なくても良かったな CEEで泊まっとけばよかった, 少し後悔 でもあっさり就寝! 明日は行くよ 旅の最西端!

本当の最後の場所に!

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